歯石取り(歯石除去)

みなさんは歯垢歯石、プラークなどといった単語は耳にしたことがあるでしょうか?

コマーシャルでも歯科関係のものが増えていますし、歯を残すための予防歯科という概念が徐々に広がってきており、多くの方は名前は聞いたことはあると思います。
歯垢や歯石は取らないといけない、となんとなくご存知のことかと思います。

しかし、歯垢とプラークってどう違うのか、歯石は歯ブラシで取れる、プラークは食べかすのこと、などそれぞれの単語は知っていても、うまく説明までできる方は少ないと思います。

プラークは歯垢のこと

うまく歯磨きができていないと歯にネバネバした塊がついてきます。

歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間などによく付きますが、歯の表面に付くこともあります。 これを食べかすと思っている方がいると思いますが、厳密には違います。 磨き残しがあると、歯の表面に細菌が集まり、コロニーという集落を作って塊になります。

この塊は一度できてしまうと、歯の表面にガッチリとくっつくため、うがいくらいでは落とすことができませんし、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシをきちんとしないと、なかなか落ちません。 そして、その歯垢(プラーク)の塊が残っていると、さらにそこに細菌がくっつき、徐々に大きなプラークとなります。

歯垢(プラーク)の中にはたくさんの細菌がいます

この歯垢(プラーク)の中にはたくさんの細菌がいて、歯垢(プラーク)1G中には300種類、約1,000億もの細菌がいると言われています

歯垢(プラーク)よく例えられますが、きれいに磨かれていない歯の表面は、肛門と同じくらい、あるいはそれ以上細菌がいると言われます。。。

これだけの細菌がいると、虫歯や歯周病になるのは当然です。
幸いにも、歯垢(プラーク)は歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシで落とせるため、日々の口腔ケアをきちんとしましょう。

定期的に歯科医院で磨けていない場所をのチェック(歯垢を赤く染める液体があるので、とてもわかりやすいです)や、歯磨きやフロスなどの使い方の確認・指導を受けるようにしましょう。

歯ブラシだけの歯垢(プラーク)の除去率は約60%

60%だと結構取れているんでは?と思われるかもしれませんが、40%も残っていれば虫歯や歯周病になっても不思議ではありません。
歯垢1gの中には約1億個以上の細菌がいると言われます。歯ブラシだけでも歯の表面や歯茎のきわはある程度きれいにできますが、一番歯垢が残りやすいのが歯と歯の間(歯間部)です。 この歯間部の歯垢は歯ブラシではなかなかきれいにすることができません。

ですので、歯間部の歯垢をしっかりと取るためには、歯と歯の間が狭い場合は「デンタルフロス」、歯と歯の隙間が広い場合には「歯間ブラシ」を使う必要があります。
丁寧な歯ブラシに加えて、これらの器具を使うことで、ようやく歯垢除去が80〜90%になると言われます。

歯ブラシ+デンタルフロスや歯間ブラシでの歯垢(プラーク)除去率は80~90%

これらも含めて、お口の中をきれいにしようとすれば、やはり1、2分では終わりません。

「歯は一生もの」

80歳、100歳になっても自分の歯で楽しく美味しく食事ができるよう、日々の口腔ケアをがんばるようにしましょう。

そして、きちんとお口の状態をよくキープするために、定期的な歯科検診を受診するようにしましょう。

歯石について

歯石歯石というのは、この歯垢(プラーク)が長いこと歯の表面に残っていることで、唾液の中に含まれるカルシウムやリンなどの成分と結びつき石灰化することで、石のように硬いかたまりになったものをいいます。

イメージとしては、鍾乳洞のようなものです。
一度、歯石になってしまうと、歯石は歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシで取ることができません。

そして、歯石の表面は軽石のようにザラザラしているため、さらに多くの細菌が付着しやすく、歯石はどんどんと大きくなってきます。そして、この歯石を足場に、歯周病菌がどんどん歯ぐきの深くまで侵入して炎症を起こすため、歯周病が進行していきます。

歯周病は歯を支えている顎の骨を溶かす病気なので、歯周病が進行し歯を支えられなくなると、歯を抜かないといけなくなる場合もあります。

より長く、綺麗な状態でご自身の歯を残すためにできること

  • まず、ご自身できちんと毎日の歯磨きを頑張る。
  • もちろん、ただ闇雲に時間をかけて磨くだけでは意味がないので、歯科医院で定期的に磨き残しの場所をチェックしてもらい、その部分の清掃の方法を教えてもらうようにしましょう。
  • また、どれだけ頑張っていても、歯並びの関係や、磨きにくい場所にある歯(内側に生えていたり、奥の方の親知らずなど)はどうしても歯垢(プラーク)が残り、歯石になる場合が多いので、定期検診で、歯石取りなどのクリーニングを受けるようにしましょう。

歯石取り(歯石除去)について

歯石取り(歯石除去)について歯垢(プラーク)が石灰化してできる歯石は、ご自宅での歯ブラシでは取ることができません。
歯医者さんで「歯石除去・歯石取り」を受けて、お口をきれいに清潔にしてもらう必要があります。

歯医者さんでの歯石取り(歯石除去)は、「スケーラー」という専用器具を使って行います。
これを歯石にあててきれいに取り除いていくのですが、この時、歯ぐきの上に付いている歯石(歯肉縁上歯石)だけでなく、歯周ポケットの深い溝に付いている歯石(縁下歯石)も除去します。

こうしてお口の中を隅々まできれいにし、歯石を取り除くことでお口を清潔にそして健康にしていきます。

歯石取り(歯石除去)の値段

歯医者さんでの歯石取り(歯石除去)には健康保険が使えて、値段の目安は3,000~4,000円程度です。
レントゲン検査などを行った際は、別途費用がかかります。

歯石取り(歯石除去)が保険適用となるには虫歯・歯周病の治療の一環として行われる必要があり、また保険診療では1回で治療できる範囲が限られているため、治療計画を立てた上で複数回に分けて通院していただくことになります。

人生100歳時代、体の健康はお口の健康からです。きれいなお口でいられるよう、ともに頑張りましょう。

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