所属している大阪府歯科医師会から毎月発刊されている新聞があるのですが、11月号で元阪神タイガースの赤星憲広さんの記事が載っていました。
内容としては、
- 現役時代は、歯を食いしばることが多く、奥歯がボロボロだった
- 奥歯がないことで、噛み合わせが悪くなり、体のバランスもズレて怪我が増えるようになった
- 奥歯にインプラントを入れて噛み合わせが良くなり、手術が必要とまで言われていた首の痛みが軽減した
プロスポーツ選手は、力を入れるインパクトの瞬間に、どうしても食いしばってしまうため、噛む力により歯が欠けたり、場合によっては歯が折れて抜かないといけなくなることもあるそうです。
今でこそ、ラグビーやアメフト、格闘技以外のスポーツでも、奥歯を守るため、噛み合わせを安定させパフォーマンスを上げるために、マウスピースを使うそうですが、昔のスポーツ選手は奥歯がない方が多かったみたいです。
赤星さんは幼少期からの記憶から、歯医者に行くのが嫌だったそうで、奥歯がボロボロでも放置しており、その結果体のバランスが崩れてしまい、長年怪我で苦しんだと思われます。
その後、安心して治療を受けられる先生と出会い、インプラント治療や矯正治療も受けられ、体の状態が良くなったそうです。
スポーツをする上で、怪我を少なくするにはどうしたらいいか、またよりパフォーマンスを上げるにはどうしたらいいか。
今回は歯科医師の立場から、「スポーツと歯の関係」について、ご案内させていただきます。
歯と姿勢の関係
姿勢は、普段からの意識が大事ですが、歯並びや噛み合わせが悪いと、姿勢が悪くなります。
左右の噛み合わせのバランスが悪いと、自然と体の重心をずらしてバランスを取ろうとするため、姿勢が悪くなってしまいます。
体のバランスが悪いと、フォームが安定せずパフォーマンスが下がったり、バランスのいる体操競技などではうまく結果がでなくなります。
また、体が歪んだまま競技を続けていると、変な負担がかかり、怪我の原因にもなります。
歯と力の関係
力を発揮する際、歯を食いしばると思います。
その際、歯並びや噛み合わせが悪く、顎の位置がずれていると、うまく力が伝わらず、本来の力が発揮できません。
適切なあごの位置になるよう歯並び、噛み合わせを整えたり、マウスピースを用いてあごの位置を安定させることで、力が発揮できるようになります。
歯と運動能力の関係
歯並びや噛み合わせがよくないと、顎や頭の位置が安定しなくなり、体のバランスがずれることで、運動能力も低下すると言われています。
体のバランスも崩れることで、安定した姿勢も取りにくくなると言われます。
そのまま競技を続けることで、怪我の原因にもなります。
いかがでしたでしょうか?
歯が虫歯になって穴が開いていたり、抜けたまま放置していると、前後の歯の位置が少しずつ動いていき、歯並びや噛み合わせが変わる原因になります。
虫歯は放置せずに、早めに治療を受けるようにしましょう。
また、お子さんの場合、歯並びや噛み合わせが良くないと、運動能力や成長にも影響しますので、早めの矯正治療がおすすめです。
気になる方は、ぜひご相談ください。