歯磨きをしているのに虫歯になる方へ
みなさんは1日何回歯磨きをしていますか?
また、1回の歯磨きにかける時間はどれくらいでしょうか?
1日3回、毎回5分以上かけてしっかりと歯ブラシをしているのに、しょっちゅう虫歯ができてしまう、という方も中にはいると思います。
私は遺伝的に虫歯になりやすい体質だから仕方がないと、半ば諦めてはいませんでしょうか?
確かにあまりきちんと歯磨きをしていなくても虫歯がない方もいますし、毎日歯磨きを頑張っていても虫歯になりやすい方はいます。
歯の構造が弱い、生まれつきの病気で免疫力が弱いなど、遺伝的な原因は少なからずあると思いますが、虫歯になりやすいのはそれだけが原因でしょうか?
今回は基本的な虫歯についてお話しさせていただきます。
歯磨きをきちんとしていれば、どれだけ甘いものを食べても虫歯にならないというわけではありません。
実際に歯磨きがきちんとできていて、1回の歯ブラシでお口の中から磨き残しや細菌を100%取り除けている、という方はほどんどいないと思います。
私自身、仕事柄、歯の大切さは理解し、きちんと歯ブラシを行い、デンタルフロスも使っていますが、100%きれいにできている自信はありません。
しかし、虫歯にはここ最近はなっていないと思います(多分ですが。。。)
歯は丈夫にできていますので、そう簡単には虫歯にはなりません。
虫歯になるには、多くの条件が重なる必要があります。
下の図は有名な「Keyesの輪」と言われるものです。
虫歯になるのは、単にはきちんと磨けているかだけではなく、
• 宿主
• 細菌
• 食物
の3つの条件が合わさった場合に虫歯になるのです。
なので、遺伝的要因だけが、虫歯になりやすくなるわけではありません。
仮に、遺伝的に唾液の成分が弱かったりするかもしれませんが、それだけで虫歯になるというのは極めて低いのです。
Keyesの輪を一つずつ見ていくと、
「宿主」
その人自身や個々の歯の問題になります。
生まれつき遺伝的に、あるいは病気などで体の免疫力や抵抗力が弱かったり、唾液が少なかったりするかもしれません。
唾液にはお口の中を中性にしたり、虫歯菌の活動を抑える働きがあり、虫歯になりにくくする性質があるので、唾液が少ない方は虫歯になりやすいです。
唾液は加齢や口呼吸による乾燥、薬の副作用などで減少してしまいます。
また歯によっては、親知らずが奥に生えてきて磨きにくかったり、奥歯で歯の溝がすごく深かったり、歯の並びが悪く重なっている部分が多い場合は、歯ブラシをきちんとするのが難しく、虫歯になりやすくなります。
他にも、詰め物や被せ物で治している歯で、詰め物や被せ物が歯と合っていなく段差がある場合も、歯ブラシの毛先が当たりにくく虫歯のリスクは高くなります。
細菌
これはそのままの通り細菌の量です。虫歯の原因である虫歯菌が多いと虫歯になりやすく、少ないと虫歯になりにくくなります。
歯は通常28本(親知らずを含めると32本)あり、合計するとかなりの表面積になります。
歯の表面は比較的磨きやすいですが、歯と歯の間や歯ぐきの際などは細菌の取り残しが生じやすくなります。 歯ブラシだけでは歯の表面の約60%しか磨けていないというデータもあり、歯間ブラシやデンタルフロスを併用してようやく約90%の汚れを取ることができます。歯磨きだけで虫歯菌を0にするのは不可能ですが、虫歯菌は口腔内常在菌とも言われ、少し残っていても悪さをすることはありません。また、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌はいません。
生まれてきてから生活をしていく中で、赤ちゃんとの会話やスキンシップ、食事の際に保護者や周りの方と同じスプーンや箸を使用することで、唾液を介して周りの方の虫歯菌が赤ちゃんのお口の中に感染します。すなわち、虫歯とは感染症なのです。お子さんをなるべく虫歯にならないようにするのであれば、周りの方のお口の中に虫歯がなく、清潔である必要があります。
食物
これは主に砂糖類の量です。
虫歯菌がいるだけでは虫歯は進行しませんが、虫歯菌の餌となる糖質がお口の中に入ると、虫歯菌が歯を溶かす酸を作り出し、少しずつ歯を溶かし始めます。
口の中に糖分が入ると、一時的にお口の中は酸性に傾き、虫歯になりやすい状態になりますが、約20分かけて唾液の成分などで、中性に戻ります。
すなわち、糖分を取ってはいけないわけではありません。
甘いお菓子やジュース以外にも、日常よく食べるお米にも糖分は多く含まれています。
食事をしても時間が経てば中性に戻るので、すぐには虫歯は進行しませんが、間食をよくする方や糖分の多い飲み物をちびちび飲む方は、お口の中が中性に戻る時間が少なく、虫歯になりやすくなります。
おすすめする歯磨き粉の紹介(大人用)
ブリリアントモア 歯磨き粉
こちらはステイン(着色)が気になる方におススメ。
アプリコットミント・スペアミント・シトラスミントの三種類があります。
(左から)SP-T GEL,センシティブ,チェックアップ
SP-Tは歯周病予防に効果的。センシティブは知覚過敏の方へ。
チェックアップはスタンダードな物で、虫歯予防の歯磨き粉としてご使用頂けます。
ルシェロホワイト
こちらはホワイトニングをされた方に最適。
細かな粒子でホワイトニング後の白さをキープ。
歯ブラシをしっかりしていても虫歯になる場合、他に原因があるかもしれません。
そもそも歯ブラシはうまくできているでしょうか?
歯間ブラシやデンタルフロスは使用しているでしょか?
気がつけば糖分の入ったものを食べたり飲んだりしていないでしょうか?
お口は開きっぱなしになっていないでしょうか?
合っていない被せ物や詰め物が合ったり、歯の並びがガタガタしていないでしょうか?
人それぞれ原因は異なりますが、虫歯ができやすいのには原因があります。 気になる方は是非一度ご相談ください。