子供の口呼吸のリスク
ヒトは、もともと鼻呼吸に適した身体の構造をしています。
しかし、口腔機能の発達が不十分であったり、鼻づまりなどがあると、口呼吸になってしまいます。
鼻呼吸ではなく口呼吸であることで、以下のような弊害が生じます。
お口の中が不衛生に
口で呼吸することで、お口の中が乾燥します。自浄作用によって汚れを洗い流してくれる唾液が不足し、細菌が繁殖しやすい状態になります。
不衛生な状態が続けば、虫歯、歯肉炎、口臭のリスクが高まります。
歯並びの乱れ
口呼吸をするということは、口が開いている時間が長いということです。すると、舌が正しい位置に収まりにくくなり、頬から歯列に対する圧力のバランスが崩れます。また、下顎は次第に下へ下へと成長してしまいます。
なかなか気づけないところですが、こういった要素が重なり、歯並びが乱れる原因になります。
身体に悪影響を及ぼす可能性がある
口は、鼻より細菌・ウイルスを容易に体内に侵入させてしまいます。口呼吸をしていると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまいます。
また、口呼吸の癖は睡眠中にも続くため、舌や下顎が下がって気道を塞ぎ、睡眠時無呼吸症候群の原因になることがあります。睡眠時無呼吸症候群は、決して大人だけの病気ではありません。
口呼吸を改善し、お口・身体のリスクを低減しましょう
口呼吸は癖の一種ですが、だからといって治らないものではありません。
矯正装置やトレーニングによって、舌を正しい位置に誘導したり、お口まわりの筋肉を鍛えれば、十分に改善が可能です。
このように、お口まわりの良くない癖を改善し、良好な歯並びへと誘導する治療を「MFT(口腔筋機能療法)」と呼びます。
新井歯科でも、MFTに積極的に取り組んでおります。お子さんの口呼吸、舌の癖などが気になるときには、ぜひ一度当院にご相談ください。
マスク着用による口呼吸の誘発
特に今は、新型コロナウイルス感染症の流行により、外出時や人と会うときはマスクの着用が欠かせないようになりました。
子供も例外ではなく、特別な事情がない限り、公共の場では「マスク着用のお願い」がアナウンスされています。
しかし、マスクを着用することで、これまでの自然な呼吸が阻害され、口呼吸をしてしまうお子さんが増えているようです。