口臭が気になる方はいらっしゃいますか?
「自分のお口の中が臭い気がする。」
「朝起きた時に口臭が気になる。」
「バスや電車、エレベーターや待合室などで、隣の人の口の臭いが気になる。」
という経験をされた方は多いと思います。
自分ではなかなか気が付きにくい「口臭」。
また、他人の口臭が気になっても、なかなか言い出すことができませんよね。
例え親しい友人や家族でも言いにくいと思います。
なので、ご自身も知らず知らずのうちに口臭を発しているかもしれません。
自分では気が付きにくい、気づいていても他人には指摘しにくい、そんな「口臭」についてご案内しております。
口臭の原因
口臭には次の5つの原因があります。
心当たりはないか、一度ご自身でチェックしてみてください。
1食べ物、飲み物、嗜好品などによるもの
ニンニクやニラ、ネギや納豆などの食べ物を食べた後や、コーヒーやお酒を飲んだ後、また日常的にタバコを吸う方は、それらを口に含んだ後、一時的にその臭いが残り、口臭がする原因になります。
2病気によるもの
口臭は「お口の臭い」と書くので、多くの場合はお口の中に原因があります。
お口の中に食べ物が残っていたり、磨き残しによる細菌(プラーク)が残っている、またそのことにより虫歯や歯周病になっていると、細菌の量が増え、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物を出します。
他にも歯石が残っていたり、舌が汚れていたり、唾液が少なかったり、入れ歯の清掃不良なども、口臭の原因になります。
お口の病気以外では、お口につながる鼻や喉の病気、呼吸器の病気、消化器の病気、または糖尿病が口臭の原因になることもあります。
3生理的なもの
生理的口臭とも呼ばれ、誰にでもあるお口の臭いです。
例えば、朝起きた時(起床時口臭)やお腹が空いている時(飢餓口臭)、緊張している時(緊張時口臭)は唾液の量が減ることで、お口の中の細菌が増加し、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が作られます。
しかし、水分を取ったり、食事をしたり、歯磨きをすることで、細菌の量が減るため、口臭はなくなります。
また、子供独特の口臭や生理中・妊娠中特有の口臭が出る場合もありますが、時間とともになくなっていきます。
4ストレスによるもの
身体的、精神的なストレスがかかることで、唾液の量が著しく減り、細菌の量が増え、口臭が出やすくなります。
5心理的なもの
これは心理的口臭とも呼ばれ「自分のお口は臭い気がする」「他人に臭いと思われていないか心配」というように、実際は口臭がなくても、自分では口臭があると思い込んでしまうことです。
実際に口臭があるのかどうか、どれくらいの臭いを発しているかの判断は難しいです。
大きな病院では「口臭外来」などと、口臭に悩む方のための診療科がありますが、口臭があるかどうか、どれくらいの口臭があるかの区分分けは「お口の中の臭いを嗅ぎ慣れた先生が実際に臭ってみて判断する」ことが多いそうです。
吐いた息から、口臭の原因となる物質を調べる検査もありますが、実際臭って確認し、口臭がある場合はお口の中に原因がないか、あるいは他の器官に原因がないか調べていきます。
上で述べた様に、口臭の原因は、色々とあります。
しかし、その多く、90%近くはお口の中にある病気やトラブルから来ております。
まずは、歯科医院で口臭の原因となるような虫歯や歯周病、食べ物や細菌(プラーク)の磨き残しがないか見てもらう様にしましょう。
口臭の原因となる病気
「自分の口の中の臭いが気になる」
「隣の人の口臭が気になる」
「自分では気にならないが口臭がないか心配」
「口臭」は痛い、しみる、腫れるなどの症状があるわけではありませんし、臭いの感覚は人によって異なりますので、なかなか気が付きにくいものです。
人の口臭がとても気になると言っている、ご自身の口臭は大丈夫でしょうか?
「口臭」とは「口の臭い」と書きますので、その多くがお口の中に原因があります。
ニンニクやニラ、ネギを食べた後や、アルコールやお酒を飲んだあと、タバコを吸ったあとは、そのものの匂いが残って口臭がしますが、取り除いたり、時間が経てば臭いはなくなっていきます。
しかし、お口の中の状態や病気によってはそれが原因となり、ずっと口臭がしてしまう状態になってしまいます。
口臭の原因となる状態や病気についてまとめてみました。
口臭の自覚はなくても、ご自身に当てはまるものはないか、チェックしてみてください。
1歯垢(プラーク)が残っている
歯の表面や歯ぐきのきわ、歯と歯の間などに磨き残しがあると、白いねちゃっとした歯垢が溜まっていきます。歯垢はプラークともいい、細菌の塊です。そのため、細菌が口臭の原因となる臭いを発しますし、歯垢(プラーク)が残っていると、虫歯や歯周病が進行し、さらに口臭の原因へとなっていきます。
きちんとした歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシで日頃から口腔ケアをしっかりとしましょう。
2歯石がついている
歯と歯ぐきのきわや、歯ぐきの中の方まで歯石がついてしまうと、それ自体が臭いの原因にもなりますし、歯石の表面はザラザラしているため、細菌が繁殖する原因になります。歯石は、歯周病が進む原因にもなります。
歯石は石の様にかたく、歯の表面に頑固にくっついているため、ご自身ではとることができません。
歯科医院でクリーニングをしたり、定期検診で歯石がつくのを予防しましょう。
3舌に汚れ(舌苔)がある
お口の中でも大きな面積を占める「舌」。その表面に細菌がついたり、剥がれ落ちた粘膜細胞などがつき、白く汚れた様になることがあります。これを「舌苔」と言い、口臭の原因になったり、味覚障害の原因にもなると言われます。
舌を傷つけないように歯ブラシではなく、専用の舌ブラシを使うようにしましょう。また、マウスウォッシュなどの洗口剤も効果的です。
4虫歯がある
虫歯になると、溶かされた歯の臭いや、虫歯の中に繁殖している虫歯歯菌(ミュータンス菌)などの臭いがします。また、虫歯の中に食べかすがつまり、なかなか歯ブラシでは取れず、これも口臭の原因になってしまいます。虫歯は自然には治りませんので、早めに歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
5歯周病が進行している
歯周病の初期は痛みや腫れはなく、なかなかご自身では気がつかないですが、歯周病が進行してくると、歯を支えている顎の骨が溶かされ、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)が深くなります。その歯周ポケットに細菌が繁殖して、口臭の原因となります。また、もっと歯周病が進行すると、歯ぐきから血が出たり、膿が出たりし、独特の臭いを発するようになります。
歯周病はご自宅でのホームケアと、歯科医院での歯石取りなどのクリーニングが必要です。再発しないための、定期検診も欠かさず受けるようにしましょう。
6唾液が減少している
唾液にはとても大切な役割がたくさんあります。お口の中の食べかすや細菌を洗い流す作用、細菌の繁殖を抑える作用などがあります。ストレスや加齢、飲んでいるお薬の副作用やお病気などで唾液の量が減ってしまうと、お口の中が乾燥し、細菌が増えて口臭の原因になります。また、唾液の減少により虫歯や歯周病も進行しやすくなります。
7歯と合っていない、段差のある詰め物や被せ物がある
虫歯になっていなくても、隙間があったり、歯との段差のある詰め物や被せ物が歯に入っていると、そこに細菌が残りやすく、繁殖しやすくなります。また、歯ブラシの毛先も届きにくい場合があるため、虫歯にもなりやすくなります。
早めに歯科医院を受診し、詰め物、被せ物をやりかえましょう。
8古い入れ歯、傷がある入れ歯を使っている
入れ歯はほとんどがプラスチックでできています。プラスチックの性質上、傷がつきやすかったり、細菌がくっつきやすく、口臭の原因になります。きちんと入れ歯(義歯)も歯磨きできれいにし、定期的に入れ歯洗浄剤などで手入れをするようにしましょう。
何度も修理したり、ヒビが入っていたり、古く変色した入れ歯は特に口臭の原因になりますので、新しく作り替えるのをオススメします。。
9口の中に癌や腫瘍がある
お口の中は、歯以外にも歯ぐきや舌、頬や唇、口蓋など多くの組織があります。そういった場所に癌や腫瘍ができると、場合によっては口臭を伴う場合があります。
この場合、口臭だけの問題ではありませんので、早期に歯科医院を受診し、外科的な治療が必要になる場合があります。
10鼻やのどの病気がある
お口の奥から鼻やのどはつながっているため、風邪をひいたり、蓄膿症、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、膿の臭いやタンパク質を含む血液などの臭いにより、口臭がすることがあります。
耳鼻科を受診し、治療を受けるようにしましょう。
11呼吸器系や消化器系など、その他の病気がある
お口は全身への入り口です。呼吸器系や消化器系などの病気がある場合、口臭の原因となることがあります。また、糖尿病の方は独特の口臭(アセトン臭、ケトン臭)がする場合があります。
各診療科を受診し、治療を受けるようにしましょう。
口臭の治療
まずは口臭の原因となるお口の病気、トラブルの治療
- 虫歯になって穴が開いているところはないか
- 歯ぐきが腫れたり、血が出ているところはないか
- 歯石がついているところはないか
- 段差があったり隙間がある詰め物や被せ物はないか
- 腫れている親知らずはないか
- 傷がある、古くなっている入れ歯(義歯)を使っていないか
こういった症状があるなら、まずは治療を行なっていきます。
そして、きちんとした口腔ケア
- 歯の表面や歯ぐきのきわ、歯と歯の間に磨き残しがないか
- 食べ物が挟まったままになっていないか
- 舌の表面や奥が汚れていないか
治療で細菌を減らすことは大事ですが、ご自身の口腔ケアはもっと大事です。
時間をかけ、丁寧に歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを使い、お口の中をきれいにしていきましょう。
そうすることで虫歯や歯周病も防ぐことができます。
あとは臭いの原因となる食べ物や飲み物、タバコやお酒は控える様にし、なるべくストレスも溜めない様にしましょう。
原因となりそうな、呼吸器疾患、消化器疾患、糖尿病などを治療しましょう。
ここまで治療をして口腔ケアを行ったり、生活習慣にも気をつけていても、「自分は口臭が気になる」「他人に臭いと思われていないか心配だ」という方が、稀にいらっしゃいます。そして、他人と距離をとったり、あまり話さなくなる様になります。
この場合は心理的な口臭で「口臭恐怖症」とも呼ばれ、場合によっては精神科や心療内科でカウンセリングを受けていただく場合があります。
自分の口臭を確認する方法(セルフチェック)
自分の口臭は大丈夫か、気になることはありませんか?
今回は口臭があるかどうか、自分で確かめる方法について、ご案内します。
毎日自分の臭いは嗅いでいるので慣れていますし、自分では口臭があるかどうかは、なかなかわかりにくいです。
親しい友人や家族でも、人の口臭にはなかなか指摘することもできません。
もしかしたら、自分の口臭で、他人に不快な思いをさせているかもしれません。
臭いの飲食物(ニンニクやネギ、ニラ、アルコール、コーヒーなど)を摂取した後や、タバコを吸ったあとは、そのもの臭いがしばらく残り、口臭の原因になりますが、歯磨きをしたり、しばらくすれば口臭はなくなります。
しかし、持続的な口臭は歯かに原因があるかもしれません。
口臭の原因には様々ありますが、「口の臭い」と書くように、その9割がお口の中に原因があります。
- 歯磨きがきちんとできていなかったり
- 食べかすが残ったままだったり
- 虫歯があったり
- 歯周病が進んでいたり
ですので、口臭が気になる方は、歯科医院を受診し、お口の中に問題がないか見てもらうことをオススメします。
しかし、忙しくてなかなか歯医者に行く時間がない、相談するのが恥ずかしくて言いにくい、何ていう方もいらっしゃるはず。
自分で口臭があるかを確かめる方法(セルフチェック)
- ビニール袋に息を吐いて、臭いを確認する
- 舌や歯などを指で触り、付着した唾液の臭いを確認する
- 市販の口臭チェッカーなどで確認する
これはあくまで自分で行う方法なので、普段嗅ぎ慣れている自分の臭いは、なかかなきちんと判断できないと思います。
また、口臭の原因はその多くが、お口の中の磨き残しや虫歯、歯周病の進行が原因です。
自分が口臭がないか気になる方は、ぜひ一度歯科医院にご相談ください。
当院では個室、半個室の診療室、カウンセリングルームをご用意しておりますので、他人には聞かれたくない、相談しにくい内容の相談も、安心してご相談ください。