みなさんは、歯の本数が何本あるかご存知でしょうか?
生まれてすぐは歯がないですが、生後半年くらいから子どもの歯(乳歯)が生えはじめ、2歳半〜3歳くらいで子どもの歯(乳歯)が生えそろいます。
乳歯は全部で20本です。
その後、6歳頃から、6歳臼歯(第1大臼歯)が生えてきたり、前歯が大人の歯(永久歯)に生え変わっていきます。
12歳過ぎには、大人の歯(永久歯)が生えそろいます。
永久歯は全部で28本です。(親知らずを除く)
しかし、本来生えるべき永久歯の数が、生まれつき少ない場合があります。
虫歯や事故で歯が抜けたわけではなく、元々歯が生えてこない、永久歯が作られていない事を「先天性欠如」と言います。
多くの場合は・・・
- 第2小臼歯(前から5番目の歯)
- 側切歯(前から2番目の歯)
が足りないことが多いです。
乳歯から永久歯へ生え変わっていく中で、「乳歯が生えたのになかなか永久歯が出てこない」、「乳歯が全くグラグラせずに抜ける気配がない」などで心配になり、歯医者さんでレントゲン写真を撮り、判明することが多いです。
1本だけ足りない場合もあれば、2本3本と足りない方もいます。
特に乳歯がなかなか抜けない場合は、「先天性欠如」の可能性もあるかもしれません。
顎の骨の中で永久歯の頭が作られ、徐々に生えてくるうちに、乳歯の根っこが溶かされてグラグラしてきます。
しかし、乳歯が全くグラグラしてこない場合は、次に生えてくる永久歯がない可能性があります。
もちろん個人差があるため、一般的な生え変わり時期よりも1年くらい前後する事はあります。
しかし、2〜3年しても生え変わらない、反対の歯は生え変わってだいぶ経つのに全くグラグラと揺れる気配がない、という場合は歯科医院を受診してもいいかもしれません。
先天性欠如の原因
原因は、遺伝的なものであるとか、全身の疾患、薬の副作用であるなど言われておりますが、詳しい原因ははっきりとわかっておりません。
「先天性欠如」の場合、永久歯がないため、乳歯が抜けずにしばらく残ることが多いです。
しかし、乳歯はあくまでも子どもの歯なので、永久歯と比べるとエナメル質や象牙質が薄いため、虫歯になりやすかったり、歯の根っこもかなり短いため、将来的に長持ちしない場合があります。
大人になっても乳歯が残っていて、抜かないといけない、抜けてしまった場合は大人の歯を失った時と同様、ブリッジやインプラントなどで治療をする必要があります。
また、乳歯が抜けても永久歯がないことで、歯と歯の間に隙間が残り、すきっ歯になるかもしれません。
見た目や噛み合わせに問題があれば、矯正治療が必要になるでしょう。
しかし、60歳になっても乳歯のまま問題なく使えている方もいますので、絶対に乳歯がダメになるとは言い切れません。
まずは、自分に「先天性欠如」がないかを、早い段階で知っておき、乳歯をできるかぎり残すように努めましょう。
そして、もし乳歯がダメになった際は、残念ですが次の歯を入れる処置に移りましょう。
歯の生え変わりが遅い、乳歯が残っているなど気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。