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2021.02.11

舌がヒリヒリ痛い、「舌痛症」とは?

舌がヒリヒリ痛い、「舌痛症」とは?歯医者さんに行く理由としては、歯や歯茎に症状がある場合が多いと思います。

  • 歯がしみる
  • 歯が痛い
  • 歯に穴が開いている
  • 歯茎から血が出る
  • 歯茎が腫れている
  • 歯茎から膿が出ている

など、むし歯や歯周病に関する症状がほとんどだと思います。

あとは定期検診を希望だったり、矯正の相談がなどがあると思います。

しかし、歯や歯茎が痛いわけではないが、「舌の先端や横がヒリヒリ痛い、ピリピリ痺れた感じがする」という方はいませんか?

舌の痛みなので、どこの科を受診したらいいか悩まれている方もいると思います。
舌がヒリヒリする、ズキズキするような感じがある場合「舌痛症」と呼ばれる、舌の症状が出ている可能性があります。

今回は、中高年の女性に多いと言われる「舌痛症」について、お話しさせていただきます。

舌痛症とは

舌痛症とは、舌がピリピリと痛む、灼熱感を感じるなど症状があるにもかかわらず、痛みを引き起こす原因が特定できない状態の総称のことです。

すなわち、実際に舌の先や横がピリピリ痛いのに、舌に傷があったり、口内炎があったりと、見た目は問題ない状態のことをいいます。

実際に口内炎や傷、腫瘍なのが原因で舌が痛んでいる場合は、舌痛症とは言いません。

外見上問題がないため、自分でも舌痛症だと気がつかなかったり、他人にも理解されにくいことがあります。

舌痛症は人口の0.7%〜3%に発症すると言われており、特に更年期の女性に多く見られます。
閉経後の女性の約15%くらいは、舌に何かしらの症状を感じていると言われます。

舌痛症の症状とは

舌痛症の症状は、舌の先や横、舌全体がピリピリ痛む、ヒリヒリと焼ける感じが出るのが特徴です。
痛みは大小ありますが、強い痛みが持続することもあり、生活にも影響する場合があります。

舌痛症の原因とは

舌痛症の原因は、はっきりと明らかにはなっていません。
歯を食いしばる癖があり、舌を歯に強く押し付けることで、舌の先の血液循環が悪くなり、舌痛症になる可能性があります。

また、歯ぎしりや食いしばりで、ご自身の歯や被せ物の歯がすり減って尖っている部分があると、舌を動かした時尖っている部分に擦れることで舌が痛む可能性もあります。

また、磨き残しがあったり、舌自体に汚れが残っていると、カンジダ菌などのカビが繁殖し、舌に痛みが出ることも考えられます。

口呼吸の場合、単純に舌の表面が乾燥してヒリヒリ痛むこともあります。
その他にも、自律神経の失調やうつなど精神的な要因やホルモンバランスの変化などが発症に関与しているとも考えられています。

舌痛症の治療法とは

口腔ケアをきちんと行う

まずはお口の中の細菌の量を減らすよう、日頃からの口腔ケアをきちんと行います。

歯と歯の間は、歯ブラシだけではきれいにすることが難しいため、歯間ブラシやデンタルフロスを併用しましょう。

歯石がついてザラザラしている場合、舌で何度も触ってしまい舌が痛むことがありますので、定期検診で歯医者さんでクリーニングを受けることも大切です。

入れ歯を入れている方は、入れ歯のケアもしっかりと行い、清潔に保つようにしましょう。

歯や被せ物の尖っている部分を丸める

歯ぎしりや食いしばりで歯や被せ物がすり減って、尖っている部分が出ることがあります。

その場合、舌を動かすたびに、尖っている部分に触れることで、慢性的な刺激により舌が痛むことがあります。
尖っている部分はないかを歯医者さんで見てもらい、必要に応じて磨いて丸めてもらいましょう。

また、むし歯で穴が開いて、歯が尖っている場合は、早めに治療を受けるようにしましょう。

日中の食いしばりに気をつける

お口の中がリラックスできていると、顎関節に力がかかっておらず、上と下の歯は2mmくらい離れた状態(安静空隙)ですし、頬や舌の筋肉も力が抜けている状態です。

しかし、上と下の歯を合わせるクセや噛み癖、食いしばり癖があると、舌にも力がかかり、歯の表面にグッと押し付けられた状態になります。

その状態だと、舌の先や横は血液の循環が悪くなり、ピリピリ痺れた症状が出ることがあります。
日中の噛み癖(TCH :歯列接触癖)には気を付けましょう。

睡眠時にマウスピースを付ける

寝ているときに歯ぎしりをしていると、長時間、強い力で舌が歯に押し付けられることで、舌が痛む原因になります。

歯ぎしりは、睡眠時の行動のため、意識して気をつけることができないため、歯ぎしりをしている方は、歯や顎関節、舌などに過度な力がかからないよう、マウスピースをつけて寝るようにしましょう。

鼻で呼吸をする

口で呼吸をしていると、お口の中が乾燥するため、舌の水分も少なくなります。
舌も乾燥することで、ヒリヒリ痛むような灼熱感を感じるようになります。

むし歯予防や歯周病予防のためにも、口呼吸ではなく、鼻呼吸を行い、お口の中を唾液で潤うようにしましょう。

鼻の疾患が原因で、鼻で呼吸がやりにくい場合は、耳鼻科を受診するようにしましょう。

他の科を受診する

自律神経の乱れや、うつなどの精神的な原因から舌に痛みを感じることがあります。
明らかにお口の中に原因がなく、そのような場合が疑われる場合は、精神科などの受診が必要となることもあります。

まとめ

年齢を重ねるうちに舌がヒリヒリ痛むようになってきた方は、特に更年期の女性の方には多いのではないでしょうか。

見たところ舌には何もないので、症状が軽ければ放置されることもあると思いますが、痛みが強くなったり持続する場合もあります。

特に舌の痛みの場合、どの科に行けばいいか迷うこともあると思います。
舌の痛みはお口の中に原因があることもあるため、まずは歯科医院を受診するようにしましょう。

症状があるからには、必ず原因があるはずです、
症状が悪化しないうちに、早めに受診するようにしましょう。