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2020.12.28

歯ぐきから膿が出ている原因とは?

歯ぐきから膿が出ている原因とは?歯ぐきが大きく腫れている、痛みはないが腫れているところを押すと膿が出る、といった症状がある方はいませんでしょうか?

健康な歯ぐきは腫れていませんし、ましてや膿が出ることはありません。
歯ぐきが腫れる、膿が出るということは、強い炎症がてている証拠です。

では、なぜ膿が出るのか、またどういった原因が考えられるかについて、今回はお話しさせていただきます。

なぜ膿が出るのか

歯ぐきからドロドロとした黄色い膿が出ることがあります。
場合によっては強い臭いがして、口臭の原因にもなります。

実は、膿の中身は細菌だけではありません。

むし歯菌や歯周病菌などの細菌も含まれていますが、膿の大部分は、細菌感染した部分を治そうとして、ご自身の免疫細胞である白血球などが、細菌と戦って死んだ死骸です。

膿が出るということは、それだけ炎症が強く出ている証拠になります。
ではなぜ、歯ぐきから膿が出るくらい炎症が出ているのか。

歯ぐきから膿が出る場合、歯ぐきや周りの歯周組織に炎症が起こっています。
膿が出る可能性がある原因についてお話しさせていただきます。

膿が出る原因

歯周病(歯ぐきの炎症)

歯と歯ぐきの間には溝があり、歯周ポケットいう溝があります。
健康な方でも1〜3mmの歯周ポケットが存在しますが、4mm以上になると歯ぐきの深いところで歯周病菌が繁殖します。

深い歯周ポケットの中は、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスでは届きません。
また、歯ぐきの中の密閉された空間では、酸素を嫌う悪い歯周病菌が増えていきます。

そうなると、炎症が進み、歯ぐきが腫れたり、膿が出たり、場合によっては痛みも伴います。
膿は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットから出ることが多いです。

根尖性歯周炎(歯の根っこの炎症)

大きなむし歯が進行すると、歯髄(歯の神経)にまでむし歯菌が侵入します。
むし歯菌や歯周病菌は、歯の内部から歯の根っこまで進み、歯の根っこから外に出て、周囲のあごの骨に炎症を広げていきます。

炎症が広がることであごの骨の中で膿が溜まり、歯ぐきを突き破って膿が出ることがあります。
膿は、歯の根元から離れた、根っこの先端付近から出ることが多いです。

膿が出ている場合、あごの骨の中で広がる炎症による圧力が逃げるため、強い痛みは出ないことが多いです。

親知らずの炎症

親知らずは、奥の方にあったり、斜めに生えていたりするため、どうしても磨き残しが出やすくなります。
親知らずと歯ぐきの隙間から細菌が入り込むと、歯ぐきやあごの骨の中で強い炎症を起こします。

智歯周囲炎といい、強い痛みや歯ぐきの腫れ、膿が出ることがあります。
膿は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットから出ることが多いです。

歯根破折

歯根破折とは、歯を支えている歯の根っこ(歯根)にヒビが入り、割れてしまうことです。
むし歯が大きかった歯や、根っこの治療(根管治療)をした歯など、残っている歯が薄い部分に、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力がかかることで、歯根破折が起こります。

ヒビが入った亀裂に沿って、細菌が歯ぐきやあごの骨の中に侵入し、炎症を起こします。
歯ぐきが腫れたり、膿が出たり、場合によっては痛みも伴います。

膿は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットから出ることが多いです。

抜歯した部分に歯が残っている

歯の根っこが曲がっているため、歯を抜く際に根っこが折れてそのまま残っている。
むし歯でボロボロだったり、細かく削って抜いた歯の破片が残っている。

歯を抜いた際にきちんと取り残しがないか確認しますが、深い部分や出血が多い場合、どうしても見落としてしまうことがあります。

多くの場合は、そのままあごの骨の中に残ったり、自然に歯ぐきから出てくるため、問題はありません。

しかし、残った歯に細菌が感染した場合、痛みはなくても、歯ぐきに穴が開いていて、そこから膿が出ることがあります。

いかがでしたでしょうか?

「膿が出る」ということは、強い痛みがなくても、炎症が広がっている証拠になります。

自然に治ることはありませんので、早めに歯科医院を受診して、原因の治療を受けましょう。