子どもが歯みがきを嫌がるので困っている、このままだとむし歯にならないか心配だ、という方は多いと思います。
嫌がって口を開けてくれなかったり、無理に歯磨きをしようとしてもぐずってさせてくれないこともあると思います。
1歳くらいまででしたら、奥歯もほとんどなく、甘いものもそこまで取らないと思いますので、無理に歯ブラシをする必要はありませんが、奥歯が生えてきた頃から、食べ物のバリエーションも増えますし、保護者の方の仕上げ磨きがとても大切になってきます。
今回は、小さい子どもが歯磨き嫌いにならないように、少しでも歯磨きを好きになってくれるためにできるポイントについてお話しさせていただきます。
子どもが歯磨きを嫌がる理由
- お口の中を触られるのが嫌
歯磨きに慣れていないお子さんでしたら、歯ブラシという変なものがお口に入るのは不快に感じてしまいます。
特に歯茎や舌などの歯以外の部分に歯ブラシが当たると、刺激を感じやすいため、拒否反応を示してしまう恐れがあります。
小さい頃から徐々に慣れていく必要があります。
- 長い間お口を開けているのが嫌
日常で大きくお口を開けっ放しということがないため、小さなお子さんは長い時間口を開けるのが苦手です。
顎が疲れたり、集中力が続かないと、お口を閉じようとしてしまいます。
また、お口を開けた状態だと、喉の奥に唾液が溜まりやすく、余計に不快感を覚えます。
こまめにお口を閉じて休憩を挟んだり、うがいとまではいかなくても、溜まった唾を飲ませてあげるようにしましょう。
- 遊んでいるので歯磨きをしたくない
遊んでいたり、絵本やテレビを見ている途中で強制的に歯磨きをしてしまうと、意識や行動の切り替えができないため、歯磨きを嫌がる原因になります。
子どもの様子を伺いながら、落ち着いたタイミングをみて歯磨きをしましょう。
- イヤイヤ期
イヤイヤ期のお子さんでしたら、今まで上手に歯磨きができていたお子さんでも、急に嫌がることがあります。
無理に歯磨きをしたり、叱ったりせず、きちんと歯磨きの大切さを伝えましょう。
- 保護者の方が怖いから嫌
夜は保護者の方も疲れている時間帯になります。
スムーズに歯磨きができない場合、お子さんが嫌がっていても無理やり歯ブラシをしたり、場合によっては押さえつけて歯ブラシをしているかもしれません。
そうした経験や記憶が重なってくると、「歯磨き=怖い」というイメージが植え付けられ、歯磨きが嫌になることがあります。
子どもがうまく歯磨きができなくても、優しく対応するようにしましょう。
子どもが歯磨きを嫌がらない、好きになるために
- 小さい頃から慣れさせる
奥歯が生えてくる1歳になる頃から歯磨きに慣れさせてあげましょう。
はじめは歯の本数も少なく、無理に磨く必要はありません。
歯ブラシが歯や歯茎に当たる感覚を早いうちから覚えさせてあげましょう。
最初のうちは持ち手が丸く、柄の短い赤ちゃん用の歯ブラシがおすすめです。
慣れてきらた自分で持たせてあげて、口に入れたり噛んだりして慣れさせてあげましょう。
転んだりして喉の奥を突かないよう見守ってあげてください。
- 保護者の方も一緒に歯磨きをする
「学ぶは真似るから」といいます。
いくらやり方を教えても、子どもはいきなり自分では歯磨きはできません。
保護者の方も一緒に歯磨きをして、やり方を見せてあげましょう。
そして、会話やスキンシップも交えながら歯磨きの時間を楽しい時間にしましょう。
- 歯磨きをする時間を決める
「もう遅いから歯磨きして寝るよ」となる場合もあると思いますが、それまで楽しく遊んでいたのに急に歯磨きとなると、多くのお子さんは嫌がるでしょう。
きちんと、「◯時からは歯磨きの時間」と決めて習慣化すれば、遊んでいても切り替えられるようになり、歯磨きが嫌でなくなるでしょう。
歯磨きの時間だけでなく、ご飯やお風呂、寝る時間も決めて、規則正しい生活をしましょう。
- お子さんにあった歯ブラシを使う
お子さんの小さなお口に大きな頭の歯ブラシや、毛先が硬い歯ブラシを使うと、不快感や痛みを覚えて、歯磨きが嫌になる可能性があります。
そのお子さんにあった大きさや毛先の歯磨きを使用するようにしましょう。
- 好きなキャラクターや色の歯ブラシを使う
歯ブラシにはとてもたくさんの種類があります。
ある程度の年齢になると、好きなキャラクターや色があると思いますので、そのキャラクターや色の歯ブラシを使うことで、毎日の歯磨きの時間が楽しみになります。
薬局や歯科医院で一緒に歯ブラシを選ぶのも良いでしょう。
- 味や匂いのある歯磨き粉を使う
歯磨き粉には味や匂いのついたものがあります。
果物の味や匂いのものが多いので、お子さんの好きな果物のものを選んであげましょう。
何種類か用意して、歯磨きの前に一緒に選んだり、混ぜたりしてみるのも、歯磨きの時間が楽しくなるポイントです。
- ジェルタイプの歯磨き粉を使う
大人向けの歯磨き粉には、歯磨き粉に含まれるフッ素や薬用成分を、お口全体に行き渡らせるように「発泡剤」が含まれています。
きちんとうがいができる年齢でないと、不快感を覚えやすいため、はじめのうちは発泡剤が入っていないジェルタイプの歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
そのまま飲み込んでも、体にはほとんど影響はないので安心です。
- 歯磨き後はしっかりと褒めてあげる
歯磨きが終わった後は、大げさなくらいしっかりと褒めてあげましょう。
もしうまくできなかったり、途中で終わったとしても、頑張ったことを褒めるようにしてあげましょう。
褒めることで、歯磨きを好きになってもらいましょう。
- 歯磨きの大切さを伝えてあげる
生きていく上で、食べたり話したりするために歯はとても大切です。
小さい頃から歯や歯磨きの大切さを少しずつ伝えていきましょう。
また、保護者の方自身が歯を大切に思っていないと、子どもだけが歯磨きをしっかりすることはないので、保護者の方も日頃からきちんと口腔ケアを行ったり、定期検診を受けるようにしましょう。
- 歯磨きの動画やアプリを使用する
最初からあまり使わないほうがいいと思いますが、どうしても歯磨きを嫌がる、ぐずって仕上げ磨きをさせてくれない場合に、歯磨きの動画やアプリを活用することもおすすめです。
可愛いキャラクターと一緒に歯を磨けることで、やる気のスイッチを入れてあげましょう。
まとめ
小さい頃から、いきなり歯磨きをしっかりできることはまれです。
歯が生えはじめた頃から、綿棒やガーゼなどで歯やお口の中を触ってあげて、触られることに慣れるようにしましょう。
ある程度成長してくると、歯や歯磨きの大切さを教えてあげるようにしましょう。
歯磨きが上手にできなくても、決して叱ったり、押さえつけて無理やりしないようにしましょう。
「歯磨き=怖い、痛い」というイメージがつくと、大人になってからも歯磨きが嫌いになる恐れがあります。
会話やスキンシップをとりながら、楽しくみんなで歯磨きをしましょう。
きちんと磨けているか気になる、磨き方のアドバイスが欲しいという方は、気軽にご相談ください。